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作成日: 2026-09-27
試験ガイドのタスク 1.5「Design retrieval mechanisms for FM augmentation」です。出題はほぼ「検索結果の何が悪いか」を症状から読み、チャンキング・検索方式・リランキング・クエリ変換・埋め込みモデルのどのつまみを回すかを選ばせる形です。模試の誤答135問中14問がこのタスクに該当し、全タスク中2位でした。
検索の品質は、取り込み時に決まる2つ(チャンキング、埋め込みモデル)と、照会時に決まる3つ(クエリ変換、検索方式、リランキング)で決まります。問題文の症状がどちらの側の問題かを先に切り分けると、選択肢の半分が消えます。
flowchart LR
subgraph 取り込み時["取り込み時(データソース同期で反映)"]
A[文書<br/>PDF・HTML・表] --> B[チャンキング<br/>固定・意味・階層]:::knob
B --> C[埋め込みモデル<br/>言語・次元数]:::knob
C --> D[ベクトルストア<br/>OpenSearch・pgvector]
end
subgraph 照会時["照会時(Retrieve / RetrieveAndGenerate)"]
E[質問<br/>複合・略語入り] --> F[クエリ変換<br/>分解]:::knob
F --> G[検索方式<br/>意味・ハイブリッド]:::knob
G --> H[リランキング<br/>上位N件へ絞る]:::knob
H --> I[FMで生成<br/>引用つき回答]
end
D --> G
classDef knob fill:#e8f0fe,stroke:#3367d6,stroke-width:2px
色つきの箱=設定で回すつまみ。誤答の多くは、症状に対してどのつまみを回すかの取り違えです。
手順書で「必要な一文は当たるが前後の手順が欠ける」という症状が出たら、階層チャンキングの出番です。小さい子チャンクで検索し、ヒットした子を親チャンクに置き換えてFMへ渡します。そのため numberOfResults は子チャンクの件数として扱われ、同じ親を持つ子はまとめられるので、返る件数は指定より少なくなることがあります。一文に正確に当てつつ、広い文脈を渡すのが階層の役割です。
セマンティックチャンキングは、隣り合う文の意味の距離で区切りを決めます。話題の切れ目で分かれるので固定サイズより自然ですが、できるチャンクは平坦で、親への置き換えはありません。論文の「方法論→結果→考察」のように、まとまりをまたいで文脈を保ちたい要件なら階層を選びます。組み込みの戦略で表現できない構造(見出しで記事を区切るHTMLなど)だけは、Lambda によるカスタムチャンキングを使います。
ベクトル検索は意味の近さに強い一方、略語・型番・専門用語の完全一致を取りこぼします。ハイブリッド検索はキーワード検索(BM25)とベクトル検索を1本のクエリで実行し、スコアを統合して両方の弱点を補います。ナレッジベースでは overrideSearchType に HYBRID を指定します。OpenSearch Service を直接使う場合は、ハイブリッドクエリと正規化プロセッサを組み合わせます。
2つは直す症状が違います。リランキングは「関連文書は取れているが順位が低い」ときに、多めに取得した候補を cross-encoder で並べ直して上位N件だけ渡します。クエリ分解は「比較質問の片方がそもそも取れていない」ときに、質問をサブクエリへ分けて別々に検索します。クエリ分解は RetrieveAndGenerate の orchestrationConfiguration で指定する機能で、Retrieve にはありません。
多言語の文書は、翻訳せず多言語対応の埋め込みモデルで原語のままベクトル化します。Titan Text Embeddings V2 は100以上の言語で事前学習されており、出力次元を選べます。Titan Multimodal Embeddings は画像検索向けで、テキスト中心の文書には向きません。埋め込みモデルを替えたら、文書側も同じモデルで再取り込みする必要があります。
| 項目 | 値 |
|---|---|
| ナレッジベース検索の既定の返却件数 | 5件 |
| Titan Text Embeddings V2 の出力次元 | 256 / 512 / 1024(既定 1024) |
| 512次元の精度(1024次元比) | 約99% |
| 256次元の精度(1024次元比) | 約97% |
| ナレッジベースでハイブリッド検索が使えるストア | Amazon RDS、OpenSearch Serverless、MongoDB(フィルタ可能なテキストフィールドがある場合) |
出典:クエリと応答生成の設定、Titan Text Embeddings V2 の発表
誤答選択肢に繰り返し出てきた手段を並べました。「選ぶ合図」の列を問題文の語句と照らすのが使い方です。
| 手段 | 何をするか | 何をしないか | 選ぶ合図になる語句 |
|---|---|---|---|
| 固定サイズチャンキング | トークン数と重なり率で機械的に切る | 節・手順・表の境界を考慮しない | 特になし(誤答側に出ることが多い) |
| セマンティックチャンキング | 意味の切れ目で切る | 親子の階層を作らない | 話題の境界で分けたい、長さがばらばら |
| 階層チャンキング | 子で検索し、親に置き換えて渡す | 見出し構造そのものは解析しない | 一文に一致させつつ節全体を渡す、方法論から考察まで |
| カスタムチャンキング(Lambda) | 独自ロジックで切る | 組み込み戦略より運用が軽いわけではない | 組み込みで表せない構造、HTML の見出しで区切る |
| チャンキングなし | 1ファイルを1チャンクにする | 検索粒度を細かくしない | 事前に自前で分割済みのファイル |
| ハイブリッド検索 | BM25 とベクトルのスコアを統合する | 順位の並べ直しはしない | 略語・型番・専門用語の取りこぼし |
| リランキング | 取得済み候補を cross-encoder で並べ直す | 取れていない文書は拾えない | 関連文書が15〜40位に埋もれる、類似度は高いのに的外れ |
| クエリ分解 | 複合質問をサブクエリに分けて検索する | 1件ずつの順位は変えない | 2つを比べる質問、片方しか返らない |
| 取得件数(numberOfResults)を増やす | 候補を広げる | クエリベクトルは1つのまま | 誤答側。無関係なチャンクも増える |
| temperature を変える | 生成のばらつきを変える | 検索結果を一切変えない | 誤答側。検索の問題には効かない |
| ファインチューニング | 出力の形式や文体を学ばせる | 更新される文書を検索可能にしない | 誤答側。「再学習なし」が条件なら即除外 |
| pgvector(Aurora) | SQL とベクトル検索を1つの DB で行う | 数億件規模で水平に伸びにくい | 50万件未満、メタデータと一緒に検索、サーバーレス |
| OpenSearch Service | 分散 k-NN と全文検索を大規模に行う | 小規模ではクラスター運用が過剰 | 数億件、月間数千万ユーザー、ハイブリッド |
選んだ選択肢の記録が無いため、各問で最も紛らわしい不正解を1つ取り上げています。14問は大きく4つの型に分かれます。
Retrieve の vectorSearchConfiguration に分解を指定する案は API 名がもっともらしいですが、そこに変換タイプはありません。決め手は「最終回答を生成」で、RetrieveAndGenerate の orchestrationConfiguration です。問題文の語句から、回すつまみを先に決めます。
RetrieveAndGenerate)AIP-C01 間違えた問題の解き直しで、次の14問を型ごとに解き直します。
| 型 | 問題ID |
|---|---|
| A チャンキング | 4-10、2-25、3-30、4-41、4-29 |
| B 検索方式と後段 | 1-37、4-15、3-71、3-14 |
| C クエリ変換 | 4-17、2-61 |
| D 埋め込みとストア | 4-34、2-2、1-30 |
問題IDは「セットID-問題番号」です(セットID:演習1=1、演習2=2、Skill Builder=3、演習3=4)。
元ドキュメント: https://claude.ai/code/artifact/576cf81a-c04c-4865-9cab-229e38907c9a