Hikaru's notes

A collection of notes and resources

View the Project on GitHub HikaruMizoe/notes

JIS X 0160:2021 ソフトウェアライフサイクルプロセス

概要

項目 内容
規格名 ソフトウェアライフサイクルプロセス
対応国際規格 ISO/IEC/IEEE 12207:2017
発行 2021年2月22日(2007年・2012年にも改正)
ページ数 192ページ
原規格 1996年7月に ISO/IEC 12207:1995 を日本語化して制定

目的:ソフトウェアの取得・供給・開発・運用・保守・廃棄に適用できるプロセス、アクティビティ、タスクの共通枠組みを提供し、発注者と受注者が「同じ言葉で話せる」ようにする。


構造の基本単位

プロセス(Process)
  └── アクティビティ(Activity)  ← 成果をもたらすタスクをまとめたもの
        └── タスク(Task)        ← 詳細な規定

プロセスは「名称・目的・少なくとも1つの成果」が必要。


プロセスの分類(7グループ)

グループ 主なプロセス
合意プロセス 取得プロセス、供給プロセス
組織のプロジェクトイネーブリングプロセス ライフサイクルモデル管理、インフラストラクチャ管理、ポートフォリオ管理、人的資源管理、品質管理、知識管理
テクニカルマネジメントプロセス プロジェクト計画、プロジェクトアセスメント・制御、意思決定管理、リスク管理、構成管理、情報管理、測定、品質保証
テクニカルプロセス 利害関係者要求事項定義、システム要求事項分析、システム方式設計、実装、結合、検証、移行、妥当性確認、運用、保守、廃棄
ソフトウェア実装プロセス 6つのサブプロセス(下記参照)
ソフトウェア支援ライフサイクルプロセス 文書管理、構成管理、品質保証、検証、妥当性確認、レビュー、監査、問題解決
ソフトウェア再利用プロセス ドメインエンジニアリング、再利用資産管理、再利用プログラム管理

ソフトウェア実装プロセス(試験頻出)

テクニカルプロセスの「開発・保守」視点で定義された6つのサブプロセス。

# プロセス名 目的・内容
1 ソフトウェア要求事項分析プロセス システムのソフトウェア要素の要求事項(要件)を確立する。評価基準は「利害関係者要件を実現できるか」「整合性・一貫性があるか」
2 ソフトウェア方式設計プロセス 要求事項を実装・検証できる設計(基本設計)を提供する
3 ソフトウェア詳細設計プロセス コーディング・テストに十分なレベルまで詳細化した設計を提供する
4 ソフトウェア構築プロセス ソフトウェア設計を反映した実行可能なソフトウェアユニットを実装・作成する
5 ソフトウェア結合プロセス ソフトウェアユニット・構成部品を組み合わせて結合されたソフトウェア品目を作成する
6 ソフトウェア適格性確認テストプロセス 結合されたソフトウェア製品が定義された要求事項を満たすことを確認する

移行プロセス(試験出題実績あり)

テクニカルプロセスの一つ。システムを新環境へ移行する際のプロセス。


廃棄プロセス

運用・サービスプロセスで定義。システムのライフサイクルのどの段階でも適用可能。

アクティビティ 内容
廃棄を準備する 廃棄戦略を定義する
廃棄を実施する 再利用・再調整・分解修理・保管・破壊などを実施。不活性化・取り除きの準備
廃棄を確実化する 人の健康・安全性・セキュリティ・環境への有害状況を識別・対処。環境を指定された状態に戻す

修整(Tailoring)

JIS X 0160で定義されたプロセスから必要なアクティビティを選定・一部修正して、自組織・プロジェクトに適したライフサイクルモデルを作ること。


共通フレーム(SLCP-JCF)との関係

JIS X 0160は規格であり、そのままでは業務に適用しにくいため、IPAが日本独自の事情を加味してガイドライン化したものが共通フレーム。

版 発行年 ベース
共通フレーム94 1994年 —
共通フレーム98 1998年 —
共通フレーム2007 2007年 JIS X 0160:2007
共通フレーム2013 2013年 JIS X 0160:2012

※ JIS X 0160が2021年に改訂された際、共通フレームは改訂しないことがIPAより発表されている(2024年時点で最新は共通フレーム2013)。


関連規格

規格 内容
JIS X 0170(ISO/IEC 15288) システムライフサイクルプロセス。JIS X 0160がソフトウェアに特化するのに対し、システム全体を対象とする
JIS X 0166:2021(ISO/IEC/IEEE 29148) ライフサイクルプロセス―要求エンジニアリング
JIS X 25010:2013 システム及びソフトウェア品質モデル(SQuaRE)

試験対策ポイント

  1. JIS X 0160 = ISO/IEC/IEEE 12207 の日本語版であることを押さえる
  2. ソフトウェア実装プロセスの6段階の順番と役割を覚える(要求事項分析→方式設計→詳細設計→構築→結合→適格性確認テスト)
  3. 共通フレームはJIS X 0160を業務適用しやすくしたIPA独自ガイドライン
  4. 修整(Tailoring)の概念:規格を丸ごと適用するのではなく、プロジェクトに合わせて選択・変更できる
  5. JIS X 0170(システム)vs JIS X 0160(ソフトウェア)の区別
  6. 移行プロセスのタスク(利用者文書・教育訓練の準備)は午前IIで出題実績あり